特別講 講議資料


★特定非営利活動法人 日本民家再生リサイクル協会の、はたす役割★

このような歴史的遺構や古い町並み、古い農村集落の、ほんとうの意味の保全と再生は、全国組織であってしかも「保全再生」を目的とする唯一の、特定非営利括動法人である 日本民家再生リサイクル協会が、最も重視する活動であり事業であることを、あらためて言う必要はないでしょう。
設立されて日も浅く、まだまだ微力ですが、協会には、民家や古い町並みを、心から愛する人々が集まっています。建築や町づくりの専門家も全国各地にいて、日常的に、保全再生に取り組んでいます。知識の点でも、経験でも、技術でも第一級の人材が揃っていますが、もっと大切なことは、そのような専門分野とは無関係でありながら、民家や古い町並みの保全再生に、無私の協力を惜しまない人々が少なくないという事実です。
特定非営利活動法人 日本民家再生リサイクル協会は、専門領域ごとに専門委員会を置いているほか、全国を9つの地区に分けて、地区ごとにきめの細かい活動をめざしています。全国津々浦々というわけにはいきませんが、各地に会員がいて、民家や古い町並みを保全再生するための広報活動、民家の調査、町並みの調査、民家再生の相談、町並み再生の相談やプロデュース、再生技術の研究や普及、民家の再生、古い町並みを軸にした町づくり、などさまざまな分野の日常活動を展開しています。
今後さらに、地域社会の保全と再生を戦略的課題として、理論、技術、政策制度、具体的手法などの各視点から、総合的に検討して、日本中の古い町並みや農村集落の保全と再生の実を挙げたいと考えています。
2001年の初夏に、岐阜県美濃市で私たちは「美濃・うだつの上がる町並み・暮らしを考えるワークショップ」を提案しました。
その土地で暮らす人々が、次の世代に何を伝え残すか、に焦点をしぼりこんだ、こどもたちの未来に希望を託せる、私たち日本民家再生リサイクル協会の提案と試みは、あっと言う間に、広島県竹原市、愛媛県南伊予地方、など全国各地に波及しはじめました。
私たちは、待望されていたと感じています。その期待に、精一杯応えたいと思います。

 特定非営利活動法人 日本民家再生リサイクル協会 副代表理事 黒田 武儀