2006年は『岡田』誕生400周年にあたります。この記念すべき年に、岡田400年祭を開催し、次の100年にむけて、岡田のまちづくりを皆さんで考えてみませんか。


岡田は木綿を大きな柱として発展してきました。こうした生活に根づいた歴史や文化は、今でも、機織、蔵、地名など身近な場所に息づいています。
 今回取り組んだ岡田歴史・文化伝承事業は、岡田地域で開催される講座等を記録し公表することで、地域の持つ財産を地域の人に気付いてもらい、まちづくりに対する気運を高めることを目的とするものです。
この記録集の題材の多くは、大同高校知多分校で開催された「岡田 歴史の告知板」(土曜講座)によるものです。講師の先生方、貴重な資料を提供してくださった方、有意義な講座を開催していただいた大同高校関係者の方に、紙面を借りてお礼申し上げます。


6月22日 講師 林 金治さん(大同高校教員)
岡田には、山車蔵を除いて91棟の土蔵があります。大同高校知多分校の生徒の調査で分かりました。91棟のうち1棟を除いて戦前の建物でしたが、江戸時代のものも11棟確認できました。
岡田という狭い地域に蔵が集中して建てられた木綿業で栄えた富の蓄積によるものが大きいと考えられます。また、当時この地域は農業だけで生活している人も多く、その上木綿業が順調であったことが大きな要因ではないでしょうか。


7月20日 講師 大島 大東さん(神明社宮司)
 創建は元和8年(1622年)と言われています。
尾張誌に、「神明ノ社 権現ノ社 山神ノ社四所六社とも岡田村にあり」とあります。
昭和32年の造営では、伊勢神宮の用材が使われました。


8月24日 講師 竹内 早一さん
(元愛知県農業改良普及所所長)
岡田の地形は、狭い土地、大きな起伏、三方丘に囲まれた盆地。(石小川、五連峰、新田開発)
戦後、農家数は1/6、専業は1/3に減少しました。竹内健三氏が上石根で大規模栽培した“竹内温州”ミカンが100年栽培されています。
戦後、農業改革の際の農地委員会は、3年間に611回開催されました。


9月21日 講師 木村 昭三さん
(郷土史研究会「ちえん」元会長)
仏像に魅せられて調べてきました。銘文や像容を見ることで、どのような神仏を祭ったのか、何を祈願したのかが分かります。
石仏には、神像系や仏像系と分けることができ、多くは、路傍や寺社の境内に建てられ人目につきやすい所にあります。また、寺社や墓地では、六観音菩薩や六地蔵尊が多く見られます


10月19日 講師 伊井 基治さん
(岡田まちづくり準備会代表)
金融業の始まりは質屋ですが、岡田では、江戸時代後期1861年には、9人が横須賀代官所に届けています。銀行の始まりは明治31年のM知多貯蓄銀行が最初です。郵便局は、私の曽祖父の又兵衛が明治32年に受取所を開きました。
明治の時期は、木綿業が盛んで銀行や郵便局もあり、明治36年に町に変更しました。


11月16日 講師 松下 孜さん
(生涯学習課学習指導員)
荘園制度のあった中世に比べると、近世の江戸時代になると土地の所有関係は、藩主⇒農民といった関係が分かりやすくなっています。江戸時代には、半田地方や横須賀海岸で新田の開発が進む一方、木綿の取り引きなど商業的な農業が展開されました。
知多半島の農民は、商業、産業、余業の影響もあって、日本の中では恵まれた状況だったと言えます。


112月21日 講師 仙石 智演さん(種徳寺住職)
宗派は臨済宗妙心寺派に属します。全国的に見ても曹洞宗のお寺の方が多いのですが、知多半島には、臨済宗は12寺ほどあります。以前、子どもたちの座禅会を開いていましたが、また、やってみたいと思います。


1月18日 講師 伊井 宏一さん
(岡田奥組山車保存会会員)
岡田では山車のことを祭礼車と呼んでいました。
 元和の時代には、名古屋では山車に人形をのせて動かせませんでした(殿様より高いところから見下ろすためか)が、岡田では既に行っていたようです。
 お祭りの日も、江戸時代は8月2日だったようですが、その後何度も変わりました。
(上の文字は、奥組の文字書き人形が書いたもので、A4版の大きさです。)
 過去の記録からは、山車や人形の修理には多くの費用をかけていました。


2月15日 講師 久野 輿吉さん
(岡田小学校教頭)
地名は大変興味深いものです。「知多」という言葉は、古事記に知多の臣という言葉がでています。
万葉集にも、知多の浦(現在の東海市から知多市)とかかれています。
知多市の地名では、海と知多古窯に関するものが多いと思います。
 岡田では、「岡田を知ろう会」の皆さんで、117の字が調査されています。


1月25日 講師 黒田 武義さん
(日本民家再生リサイクル協会副代表理事)
 この講演会は、岡田コミュニティ、岡田街並保存会、愛知県によって、岡田公民館で開催されました。
 ・町並み保存再生の現況
 ・これからの保存再生はどうすればいいのか
 ・「空きスペースからみた岡田のまちの現状」
というテーマで、現在利用している施設、今後利用したい場所などが話されました。

岡田まちづくり準備会は、伝統ある岡田の歴史、文化、自然などを大切に育て、活かして、一層魅力あふれるまちづくりを進めることを目的として、活動をはじめたグループです。
 今回、知多市市民活動促進補助金の採択を受け、大同高校、岡田を知ろう会のご協力をいただき、岡田の歴史・文化の記録集を作成することができました。ありがとうございました。
記録集は、HP(ホームページ)で、紹介していきますのでご覧ください。
●編集発行:岡田まちづくり準備会
●発行日 :平成15年2月28日
●連絡先 :岡田まちづくり準備会
 代表   伊井基治
 事務局  TEL 080-3074-1461

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