◆ 庚申塔
庚申とは、干支の「かのえさる」のことで、十二支の庚と申が組み合わされたもので、この組み合わせは、60年に一度巡ってくる。日常の日にちにも適用されるもので、60日に一度庚申日が、巡ってくる。
庚申の日に三尸(さんし)という虫が、睡眠中に身体から抜け出して、天帝にその罪過を報告する。天帝は、悪事の軽重に応じて、その人の寿命を操作すると言われる。ところが、三尸の虫は、人間が目覚めている間は、庚申の日といえども体外に出ることができないので、庚申の夜は、眠らずに一夜を過ごすこととなる。これを庚申待ちという。庚申待ちの行事の内容や方法は、地域によって様々な違いがある。
奈良には、民間信仰として、赤い庚申塔がある。

◆ 道祖神
男神と女神が、仲むつまじい姿をしている道祖神(信州に多い)は、集落の入り口か、三叉路や辻などに祀られている。
その目的は
○ 疫病神の侵入を防いでくれる。
○ 良縁を得させ、子宝を授けてくれる。
○ 眼や耳の病気を治してくれる。
○ 行路の安全を護ってくれる。
○ 豊作祈願。
変わったものとして、自然石の道祖神がある。奇怪な形をした陽石や陰石で、これが自然の造形かと思われるほど見事なものもある。