調査こぼれ話
土蔵破り対策
・大量の砂を詰め込んだ土蔵の壁
・鉄製の大きな格子を埋め込んだ土蔵の壁
土蔵の大切さ
・土蔵は見せるな、話すな

土蔵調査の内容
土蔵の種類
道具蔵(48棟)、道具蔵兼米蔵(21棟)、米蔵(7棟)、木綿蔵(7棟)
道具蔵が半数以上を占めますが、建築当初の用途というよりも、現在の利用状況と考えるほうが妥当かもしれない。
江戸中期から昭和30年代まで、木綿問屋を核に木綿業が栄え、商工業が発達してきたこと。商工業者のほとんどが兼業農家として田畑を耕していた。⇒米蔵や木綿蔵が多い。

規模
規模として最も多いのは、3間×2間×2階建ての床面積12坪・・・19棟
大型の土蔵には木綿蔵が多いが、長期間の保存用ではないのでつくりは簡単。

構造
構造の大部分は土壁構造

建築時期
江戸時代のものが11棟。不明のものも17棟。
木綿蔵は昭和10年代で終わり。戦後は土蔵から倉庫に代わった。

土蔵の特徴
江戸時代以来の伝統的スタイル(重厚な屋根、白漆喰の外壁、なまこ壁、石を積み重ねた基礎、漆喰を塗った土の扉・窓枠)をすべて備えた土蔵の数は多くない。(岡田ではこれを「本格的な蔵」と言う)
白漆喰の壁(白壁)や土蔵の外壁をそのまま見せるのではなく、黒い板で外壁を覆っている。(鎖囲い)・・・雨に弱い漆喰を守る、補修費用を抑える実用的な理由。
鏝絵(こてで絵を描く)を施した土蔵や、妻の白壁に屋号や家紋が描かれている土蔵はない。

鬼瓦や屋根瓦に屋号や家紋を入れる家は相当数ある。