「や」
 鋸屋根は織布工場のシンボルです。昭和四十年代くらいまでは、まちのあちこちにこの鋸屋根を見ることができました。鋸屋根が富の象徴であった時代が長く続きました。岡田の綿織物業界は、昭和の時代、二度にわたって、業界自身が驚くほどの好景気を経験しました。
 一度目は昭和十二年、町内にあった大小合わせて三十を越す工場の操業で好景気を手に収めました。二度目は昭和三十二年、三十弱の工場がフル操業をして対応したそうです。山木、中七、岡徳などは、二度のピークを経験した歴史のある会社でしたが、いまはオカトクを残して廃業しました。