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 知多地方の農家では、高機を使って木綿の布を織ることは、江戸時代の農間稼ぎ(副業)以来の伝統とも言うべきものでした。いまから五十年ほど前までは、知多地方の各地では、時折り見かけたものです。
 自分で使う布地を織る際、織り手は自分好みの縞模様に仕上げるのが常でした(家織縞と言います)。その布地で着物を作るわけですから、当然、気の利いた縞模様のおしゃれな外出着ができ上がることが多かったのでしょうね。