「さ」
 昭和二十九年十一月二十三日、今朝は伊勢神宮御遷宮の際の古材を神明社に迎える待ちに待った日です。境内では、町長を初め町民各層の代表者、多くの町民、子どもまでが宮司とともに出迎えに出ております。
 神明社新社殿の主要な柱となる古材は、特注の大八車に載せられて、先ほど、道中最大の難所である枡磯前の坂を上り切り、間もなく境内に現れる模様です。参道の町民の歓声がひときわ大きくなりました。いま境内では大勢の人々の輪が割れました。ついに到着です。木曳き人の木遣り歌が一段と大きくなりました。歓声と拍手・・・。神明社に栄えあれ!