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 毎年旧暦十月八日と毎月十二日の薬師祭で親しまれる種徳寺は、臨済宗妙心寺派のお寺です。大永元年に實通祖秀によって開かれました。昔は種徳庵と称し、慈雲寺の末寺でした。
 ご本尊の観世音菩薩の外、多数の仏像が安置されていますが、なかでも明和三年、落田から引っ越されたお地蔵様は魅力的です。木像彩色、それほど大きくはありませんが、円満で気品のあるお顔は、見る人の心を和ませてくれます。
 またこのお寺では、重要な行事の際には多数の女性信者によって御詠歌が唱和されます。境内に響くその声は、参拝者の心を打ちます。