「ま」
 旧道から左折し、神明社へと登る坂道の途中に明治二十年創業の料理旅館「枡磯」があります。坂の左右には桜の古木が並んでいます。春になると、桜は枝をいっぱいに広げて、坂を上り下りする花見客を暖かく迎えてくれます。
古木特有の黒ずんだ太い幹と、たくましく広がった枝。枝には淡いピンクや白い花弁の桜がところ狭しと咲き誇り、香りが漂ってきます。
 土手の上の駐車場では、散る花弁を追いかける子どもを見守るお母さんの姿も時折り見かけます。その有様は、「花見坂」と呼ぶにふさわしい岡田の桜の名所です。