「き」
 狂俳ってなに、と聞かれそうですね。今日ではほとんど忘れられた文芸の一つです。俳句の場合、伝統的な句作では、文字数は五・七・五の十七文字。季語を句の中に必ず入れるのがルールです。狂俳の場合は、一度にいくつもの出題があり(文字数に制限なし)、その後に、五・七か七・五の十二文字を使い句を整える。さらに季語は使わないという具合で、言葉遊び的な要素が濃い文芸です。
 岡田では大正期まで盛んに取り組まれていました。強いて言えば、狂俳は庶民・百姓の遊び、俳句(俳諧)は、少し余裕のある商店主や旦那衆の遊びと言える、とある方から伺いました。