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 孝三さんとは、日本の民間航空事業の開拓者の一人として有名な安藤孝三氏のことです。明治三十一年に岡田に生まれました。大正十年、古見に安藤飛行機研究所を設立し、パイロットの養成を手がけて以来、後には航空輸送にも進出し、事業を拡大しました。
 また政治にも関心を持ち、昭和十二年、四度目の総選挙挑戦で初当選しました。三十九歳の代議士は初登院当日、通称「ゲタ履き飛行機」と呼ばれた水上飛行機を自ら操縦し、意気揚々と羽田飛行場に到着「飛行機代議士登院」と、当時新聞の話題になりました。
 昭和六十年二月、満八十六歳で逝去されました。