「ち」
 仏教では毘沙門天は多聞天とも言われます。北方を守護する神で、福寿増長および仏法護持の神とされています。日本ではめでたい七福神の一つとして喜ばれています。また岡田では、江戸時代から中組の守護神(仏)として信仰されています。
 福寿増長といえば、毘沙門堂の建立由来にそれと思い当たる話しがあります。働き者の百姓徳左衛門さんは、朝夕海に海草や藻を採りに出かけました。ある日、岸に多聞天像が流れ着いていたのを自分の家に持ち帰り、篤く信仰したので、家は大変繁栄した、という内容です。多聞天信仰は、人に福寿を運んでくるという信仰と、現世利益がうまく結びついた果報者の徳左衛門さんの話になっています。